リーマン以来の脅威?中国恒大集団が破綻? – 「理財商品」から有名女優の”抹消”まで。中国リスクを考える。

金融・経済リテラシー

筆者は、3連休明けの9月21日以降、日本の株式市場が中国発の相場下落に見舞われる場合に備え、先週末までにインバース型ETF(相場下落時に利益が上がる)を購入するなど、一定の備えをしています。

筆者が懸念しているのは、巨額の負債を抱える中国の不動産デベロッパー「中国恒大集団 (China Evergrande Group)」が9月20日以降に期限を迎える銀行借入返済や社債償還ができず債務不履行(デフォルト)となる可能性です。同社1社の破綻に留まれば良いのですが、中国株式市場全体の下落やさらにグローバルな市場の動揺・混乱につながるリスクも(発生確率は低いものの)想定されることから、防御策を取ったわけです。

また、資金調達の一環として、「理財商品」と呼ばれる高利回り短期の実績配当商品を個人向けに販売しています。「シャドーバンキング」(銀行以外による金融仲介業務)と呼ばれるこうした金融の仕組みが、リーマンショック時のサブプライムローンのような金融危機の火種になり得ることは予てから指摘されています。

この理財商品の一部が期限になっても償還されず、個人投資家が9月12日に数百人規模で抗議行動を行いました。

しかし、筆者は国際金融市場が中国リスクを十分に織り込んでいるのか、やや疑問に感じています。ここで言う中国リスクとは、恒大に代表される不動産の乱開発と不動産価格の高騰だけではなく、中国政府による与信引き締め政策(2021年からクレジット・インパルス(総債務残高対GDP比の前年差)がマイナスに転じる)の実体経済への影響や、新疆ウイグル自治区の人権問題のビジネス影響(例:誤解に基づいた先日のユニクロの綿素材調達報道)、さらに芸術・文化活動やゲーム産業・アイドル産業(AKB的人気投票の禁止)への締め付けの影響など、広範囲に及びます。

8月下旬から有名女優で映画監督としても知られるチャオウェイ(ビッキー・チャオ)が、中国のネット上で「検索できなく」なり、出演した映画も見られなくなっただけではなく、監督映画の監督欄が空白で表示されています。習近平国家主席への個人崇拝が進む中国で、最大級のスターでさえ突然理由も明かされないまま消されてしまう、という事態に、欧米諸国が中国を”異質なもの”から”危険なもの”として見始めたことは、米英豪が原子力潜水艦の豪州配備支援を含む安全保障協定を結んだことと併せて、投資家としては認識しておくべき論点だと考えています。

ビッキー・チャオ出演の『レッドクリフ』

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